前略。
十二月も末に近付いて参りましたが、イギリスにはもう雪が降ったでしょうか。 かれこれ一ヵ月近くも外出していないので人から伝えきいた话ですが、どうやらこちらは寒いようです。雪こそ降っていませんが、マフラーや手袋などの防寒具は必须とのことでした。
いつか二人で体を温めあった寒い日のことを思いだします。仆が侧にいなくては冻えてしまうのではないかと心配になります。
いまあなたは一人で震えていませんか? あなたに会って话したいことが沢山あります。 伝えたかったことも沢山あります。泣きたくなるほどの爱情も、叫びたくなるほどの激情も抱えています。 また、会いたいです。あなたはいま、ぼくに会いたいと愿ってくれますか? ぼくと过ごしたあの日に帰りたいと思ってくれていますか? …………。
嘘です。
仆は、ひどい嘘をつきました。ごめんなさい。何度あやまっても足りないかもしれません。
ぼくがいま一番に会いたいのはあなたではないんです。
ぼくがいま、一番に话したいのはあなたではないんです。
あなたに会うことはもう叶わないのだから、もしも愿いが叶うのなら、ぼくはなにを差しおいてもあなたとの再会を望まなければなりません。
でも、违うんです。
どうしても、ぼくは彼女に会いたいんです。
泣きたくなるほどの爱情も、叫びたくなるほどの激情も、いまはすべて彼女のために捧げる感情なのです。
また、会いたいです。ぼくは彼女に会いたい。彼女が一人で震えているのなら、いますぐに駆けつけて抱きしめたい。
もう过去に戻りたいなんて思いません。たとえあなたに感谢の言叶を告げられるとしても、彼女と离れることになった一ヵ月前に戻れるとしても、ぼくは时间を戻したいなんて思いません。
だから明日の彼女にいますぐ会いたい。会って、ぼくはいま幸せですと告げたい。
あなたの笑颜はぼくの世界を変えてくれました。过去が変わり世界は辉き、生まれてきて幸せだと感じました。
彼女の笑颜は世界をまた新しく変えてくれました。明日が変わり未来は煌き、生きていて幸せだと感じています。
彼女は仆を「必要だ」と言ってくれました。お互いを求めあう间柄とはなんて素敌な関系でしょう。
あなたはぼくの幼い顷に、谁かのために何かをしようとした仆の行いを「とても良いこと」だと言ってくれました。
その教えはきっと正しかったんです。彼女のためにと愿ったぼくは、いまとても幸せな気持ちでいられるからです。
だから仆は今すぐ彼女のもとへ行かなければなりません。気丈ではあっても、まだまだ世间に不惯れな彼女を仆が支えてあげなければいけません。
彼女がもし弱っているのなら、泣いているのなら、仆はいますぐにでも「良いこと」をしたい。
彼女に会いたい。すぐにでも駆けつけたい。
仆はいまルナ様に会いたい!
ありがとうお母さん! 仆は幸せです!
たとえこの愿いが及ばず彼女と离れさせられようと、次があるさと笑って生きれば幸せなんだという気持ちがある限り、仆はどんないまを过ごしていても楽しかったと胸を张って言えます!
だからなんの炫いもなく一番の愿いを言います。
会いたい。
ルナ様に会いたい。
仆の大好きなひとにもう一度会いたい。
大好きです、爱しています。
また二人で未来を目指す日を梦见させてください。
舞台は世界です。梦なら大きな方がいいでしょう? 笑ってくれて构いません。仆もめいっぱい笑います。
あなたの侧で、あなたと笑いながら、沢山の服を作りながら生きていきたい。
好きです。
ルナ様のことが好きです……。
爱しています……。
【 】「私も爱してる」
爱してます……仆も……。 爱して……。
【大蔵游星】「ルナさま……?」
【桜小路ルナ】「ほら、また会っただろう?」
【桜小路ルナ】「絶対、会えると思ってたんだ。約束したからな。私は君との約束は破らないんだ」
【大蔵遊星】「ルナ様……」
頭がなにか柔らかいものの上にのせられている。これはルナ様の体……?
【桜小路ルナ】「でも君の方はひとつ約束を破っている。体を大切にしろと言ったのに、少しやつれているじゃないか」
からかうようにルナ様が僕を責める。
でもその手はとても優しく額の上を撫でていった。たまらなく心地良い。
【大蔵遊星】「ルナ様……どうしてここに……」
【桜小路ルナ】「君が前日になったら衣装をこの部屋まで取りに来てほしいと言ったんだろう」
【大蔵遊星】「言いました……でも、ルナ様本人が来てくれるなんて、思いませんでした」
【桜小路ルナ】「私以外に誰が来るんだ。君もいま、私に会いたいと言ってくれていたじゃないか」
【大蔵遊星】「寝言を……言っていましたか?」
【桜小路ルナ】「言っていた。耻ずかしいほど爱情を诉えてくれていた」
闻かれてたんだ。自分が口に出していたのも惊いたけど、それ以上に本人に闻かれてとても耻ずかしい。
何度も、爱してるって……言った気がする。
しばらく羞耻に戸惑って喋れなかった。ルナ様はそんな仆を上から见下ろして、楽しそうにしていた。
だけど羞耻の心は仆の意识をはっきりとさせ、现実の世界に残っている大切な问题を思いださせた。
【大蔵游星】「あ……」
【桜小路ルナ】「どうした?」
【大蔵遊星】「衣装が……まだ完成していないんです。あと一つだけですけど工程が残っていて……僕は途中で寝てしまって……しかも、縫っている最中だったのに」
千鳥がけの裾始末。縫い方としてはまつり縫いよりも手間の掛かる千鳥がけを選んでしまったから、ルナ様に待ってもらうことになる。一時間掛けても終わる作業じゃない。
【桜小路ルナ】「終わった」
【大蔵遊星】「え?」
【桜小路ルナ】「终わったんだ。君が三时间ほど眠っている间に、私が最后の裾の始末を终えた」
三时间? そんなに自分が寝ていたことにも惊いたけど、じゃあルナ様はその间ずっと仆を起こさずに手缝いをして?【大蔵游星】「ルナ様に、そんな手间と时间の挂かることを……」
【桜小路ルナ】「君が自分でやろうとしていたことだろう? そのうえ君は、ただ終わらせようとしていたんじゃない」
【桜小路ルナ】「まつり縫いでは、裾を靴で踏んでしまったときに引っかかる可能性がある。そう考えたから、自分の手間よりも私のことを優先して、より大変な千鳥がけを選んだんだろう?」
【桜小路ルナ】「こんな状況でも着る人間のことを……私のことを考えて、手間を惜しまなかったんだろう?」
ルナ様の手が頬に当たった。親指の先が唇の端に当たっている。
【桜小路ルナ】「君は相変わらずだな」
【桜小路ルナ】「私のためなら手抜きなんてしない。妥協なんて覚えない。諦めようとしない」
【桜小路ルナ】「君の作った衣装を見ればわかる。ほんの少しも疑う余地のないほど、私に対する誠意と愛情が込められていた」
【大蔵遊星】「いいえルナ様こそ……いつも僕に感謝して……僕を必要としてくれました」
【大蔵遊星】「そのひとのためにどれほど尽くそうとしても、ルナ様に喜んでいただけたときの顔を思うと、苦労が苦労でなくなり、結局は自分のためになることばかりです」
【大蔵遊星】「これでは誠意ではありません、もっとルナ様のために……尽くさせてください」
【桜小路ルナ】「いつか自分の愛で潰れるぞ?」
【大蔵遊星】「大丈夫です。ルナ様は僕をコントロールするのがお上手ですから」
【桜小路ルナ】「ふん」
頬がつねるように引っぱられた。でもそれは故意ではなく、手に力が入ってしまっただけみたいだ。
【桜小路ルナ】「君は本当に私のことが好きだな」
【大蔵遊星】「はい、大好きです。お慕いしています」
【桜小路ルナ】「私も好きだ」
【大蔵遊星】「愛しています」
【桜小路ルナ】「私も愛してる」
【桜小路ルナ】「会いたかった」
【大蔵遊星】「僕も……たった一ヵ月の間を何年の別れにも思い……」
【大蔵遊星】「また会えるとわかっているのに……ずっと、ずっとお会いしたいと願っていました……!」
【桜小路ルナ】「ありがとう……!」
【大蔵遊星】「ルナ様……!」
その手を握った。彼女も握りかえしてくれた。
【大蔵遊星】「また会えるとわかっていたから……ずっと笑っているつもりだったのに、会いたいと思ったときに声を聞けないと、苦しくなってしまう気持ちが切なくて……」
【大蔵遊星】「お会いできて幸せです……僕はあなたのことが好きです……!」
【桜小路ルナ】「私も好きだ……大好きなんだ君が……いつでも側にいてほしいんだ、君に……!」
【桜小路ルナ】「愛しているんだ……愛しているから……!」
【大蔵遊星】「ルナ様……!」
【桜小路ルナ】「今は……君の主人じゃない。そのままで愛してくれていい……!」
【大蔵遊星】「ルナ……」
【大蔵遊星】「ルナっ!」
名前を呼んだことで愛情は膨れあがり、抑えきれなくなった僕たちはお互いの体を抱きしめた。めいっぱいの力で抱きしめあった。
口付けを何度も交わしあった。求めあう気持ちは、僕たちをより深い行為へと導いていった。

话说发这个意义何在……赏析么